腰を痛めてしまうとなかなか治りづらく、横になっても楽にはならないし、動くのもつらいです
できれば腰痛にはなりたくないですよね。しかし、腰痛にならないような身体の使い方を知っている人は、どのくらいいるのでしょうか
ということで、今回は腰痛になりづらい身体の動かし方を、ボディメカニズムを交えて書いていきたいと思います
ボディメカニズムとは?
“ボディメカニズムとは、神経系・骨格系・関節系・筋系などの形態的・筋力的特性をとらえ、その力学的な相互関係のよって起こる姿勢や動作のことです”
簡単にいうと、「身体にとって無理なく楽な動きが取れるように、身体に余分にかかる負荷を少なくしましょう」ということです
介護等では様々な介助の場面において、身体の特性を活かし、無駄な動作をせず身体に過度な負荷をかけないことが介護者と利用者どちらにおいても大切なことです
そのため、最小の力で最大の効果を上げるように、運動力学やボディメカニズムを応用して使っています
しかし介護に限らず、ボディメカニズムは日常生活においても有効です
重い荷物を持つ時や、ぎっくり腰にならないようにボディメカニズムを意識することで、腰への負担を減らすことが出来ます
具体的な身体の動かし方
ボディメカニズムには、下記の基本原則があります
※引用元と数字の順番は少し変えています。
➀支持基底面積を広くとり、重心を低くする
②大きな筋群を使い、水平移動を駆使する
③てこの原理を応用する
➃利用者の身体を小さくまとめる
⑤介護者の重心移動で利用者を動かす
➅足先と身体を動かす方向に向ける
⑦「押す」よりも手前に「引く」
⑧介護者と利用者双方の重心を近づける
新・介護福祉士養成講座 第3版 7 生活支援技術Ⅱ 中央法規
※図にしてみました、参考にどうぞ
③は図に出来ませんでした…⑦⑧は文章のままの意味です
では、1から8まで順番に説明していきたいと思います
➀支持基底面積を広くとり、重心を低くする
足幅を広くとり、重心を低くすると身体は安定します。もしくは両足を左右、前後に広めに開き、膝を曲げて腰を落としたりすることです
②大きな筋群を使い、水平移動を駆使する
指先や腕の力だけを使うのでなく、腹筋や背筋、太ももなどの大きな筋肉を使います
そしてできるだけ水平に移動することで、腰の負担が減ります
③てこの原理を応用する
支点・力点・作用点のある状態で、小さい力を大きい力に変える原理です
介助等では、ベットサイドに膝を押しつけたり、肘をベット上につけるなどをしてそこを支点にすることで、効率的な動作が可能になります
➃利用者の身体を小さくまとめる
介助等にて利用者の腕や足を組むことで、利用者の身体がベットなどと接する面積を小さくし摩擦を少なくすることができます
それにより力の分散を防ぐことが出来る上に、介助時の負担が軽減されます
⑤介護者の重心移動で利用者を動かす
背筋を伸ばしたまま、膝の屈伸を使う場合、腰を痛めづらいです
膝の屈伸を利用して重心を左右に移すと骨盤は安定するため、スムーズに安定した移動ができます
➅足先と身体を動かす方向に向ける
物や利用者を移動させる際、必ず足先と身体を動かす方向に向けます
無理に腰や身体をひねると、重心や姿勢が不安定になりやすいため、力が出せないと同時に腰痛の原因にもなりかねます
⑦押さずに、手前に引く
押す力よりも引く力の方が力を分散させづらいため、少しの力で物を動かすことが出来ます
⑧介護者と利用者双方の重心を近づける
利用者と介護者それぞれの重心が近いほど移動がしやすくなります
また、介助時に身体を密着させると余分な力がいらなくなります
まとめ
自分の周りには、こういったボディメカニズムを知らないだろうという人は少なくありませんでした
ふとみていると、腰に負荷かけているなという人が結構います
腰は痛めると、なかなか治りづらく、腰痛が慢性化してしまうと大変です
そうならないようにこの記事を読まれた方は、ぜひ自身の腰を労ってあげてください
それでは読んでいただき、ありがとうございました
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