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はじめに
“ケーキの切れない非行少年たち”
“マトリズム”
“「子供を殺してください」という親たち”
作画の鈴木マサカズさんが描く漫画はリアリティがあり、どこか物語に引き込まれます
そんな鈴木マサカズさんの漫画はよく読んでいたのですが、ケーキの切れない非行少年たちの原作は読んだことがありませんでした
しかし書店に並ぶ本の中に“ケーキの切れない非行少年たち”がオススメコーナーに頻繁に置いてあり、そんなに面白いのかと興味を引かれ買ってみました
今回はそんな“ケーキの切れない非行少年たち”を読んでみた感想を書いていきます
内容
反省させる以前の問題とは?
非行少年たちに犯罪はいけないことだと教えても、そもそもその少年の認知機能が低い場合は、反省するどころか話の意味を理解することができないのです
そのため少年たちに反省させるためには、少年たちの認知機能を向上させる必要があります
非行少年たちの共通点とは
- 認知機能の弱さ
- 感情統制の乏しさ
- 融通が利かない
- 自己評価が不適切
- 対人スキルの低さ
- 身体的不器用さ
非行少年たちには上記のような共通点があり、
相手の気持ちを汲み取れない・人との距離感が分からない・言われたことを理解できず混乱してしまう
というように、対人関係に問題が生じやすいです
また不安や葛藤を感じても認知機能が低いため、どうなるか考えることなく暴力という突発的な行動に走ってしまうのです
周りに気づかれずに生きてきた、境目の少年たち
そういった少年たちは、認知機能の検査をしても発達障がいや知的障がいと判定されるほどIQが低いわけではありません
しかし、検査に引っかからないギリギリのIQの人もいるわけです
そういった人たちは障がいと判定されないため、適切な支援が受けられないのが現状です
そういった支援を受けられない境目の少年たちが非行少年たちには多く見られるのです
少年たちをどう支援したらいいのか
そんな境目の少年たちを、どのように支援したらいいのでしょうか
上で述べたように、ただ反省させるだけでは意味がありません
犯罪がいけないことであること、相手の気持ちになること、自分の行動がどういった結果になるのか気づくことが出来なけば、また犯罪が繰り返されてしまいます。
“ケーキの切れない非行少年たち”では、コグトレを推奨されていました。
コグトレとはCognitive ~ Trainingの略で、認知機能の向上を促します
著者の宮口幸治さんは、狭間の犯罪少年たちにコグトレを行なった所、認知機能の向上が見られたそうです
感想
マンガと原作どちらも読みましたが、マンガはストーリーがあり、本当にこういう人がいるんだろうな、という現実味がありました
原作はより詳しく専門的でしたが、絵がない分イメージを膨らませられます
あまりにリアルに想像しすぎると少しつらい気持ちになるかもしれません
現に、利用者さんの状態と重ねすぎて、自分は少しやるせない気持ちになりました
しかし、目をそらすこともできない現実でもありますね
自身の気持ちと同調しすぎないように、客観的に読むことをお勧めします
それでは読んでいただき、ありがとうございました
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