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初めに
日常生活自立支援事業は、1999年の制度改正時には、地域福祉権利擁護事業という事業名であったが、2007年に他の事業名との兼ね合いもあり現在の名称となりました
具体的な目的は変わらず、判断能力が不十分な認知症高齢者、知的障害者、精神障害者等といった方が地域において自立した日常生活が送れるよう、福祉サービスの利用援助事業、福祉サービス利用援助事業に関する普及や啓発等を行うといったことが日常生活自立支援事業の目的です
成年後見制度と違う点としては、
- 判断能力が不十分であるがために、日常生活を営むのに必要なサービスを利用するための情報入手、理解、判断、意思表示を適切に行うといったことが困難であること
- 日常生活自立支援事業の利用契約を終結する能力を有していること
といった上記の点を満たす者でなければ利用できないといったところです
具体的な援助内容、方法としては以下の三つに分けられます
具体的な援助内容
福祉サービスの利用援助
福祉サービスの利用援助とは、福祉サービスを利用する際、または利用をやめるときの手続き、福祉サービスについての苦情解決制度を利用するための手続き、住宅改造や居住家屋の賃借、住民票の届け出等の行政手続きに関する援助、福祉サービス利用料を支払う手続き等を行うといったことです
日常的金銭管理サービス
これは年金や福祉手当の受領に必要な手続き、医療費や税金、社会保険料、公共料金を支払う際の手続き、日用品等の代金を支払う際の手続き、また、上記の支払いに伴う預金の払い戻し、解約、預け入れの手続き等を行うといったことです
書類等預かりサービス
これは年金証書、預貯金の通帳、権利書、保険証書、実印・銀行印等の預かり等を行うといったことであり、援助方法としては、相談、助言、情報提供を基本とし、必要に応じて契約手続きや利用手続き等の代行による支援、福祉サービスの利用手続き等の代行による支援、福祉サービスの利用手続きと預金の払い戻しの代理による支援を行うといったことです
援助を受けるための流れ
- 相談援助
- 利用者の必要性や契約締結能力の確認等の調査
- 家族等や医療、福祉の関係機関との調整
- 契約書、支援計画書の作成と締結
- サービスの提供
- 支援内容の評価と見直し
- サービスの終了
という援助までの流れがあります
日常生活自立支援事業について、まとめ
福祉制度を必要とする人は、高齢認知症や知的障害、精神障害等のため、福祉サービスを利用するための情報収集や、必要なサービスを選択し、利用の手続きを行うといった手続きを行うことが、困難な人たちが多いです
そのため、社会福祉分野において容易に利用でき法律行為を含む福祉サービスの利用援助やそれに伴った金銭管理の援助の仕組みとして、成年後見制度の施行に先駆けて導入されたのが、日常生活自立支援事業です
それでは、読んでいただきありがとうございました。
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