書籍“ラン(著:森絵都)”42.195km走りたくなる小説

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森絵都さんの小説は基本好きなのですが、特にオススメなのが“ラン”です

タイトルがとてもシンプルなのは見ての通りなのですが、この本は表紙もほぼ青色で染まっています※

本の表紙というのは、買ってもらえるように目を引くようにデザインされているものだと思います

しかし森絵都さんの作品は、“カラフル”もそうなのですが、タイトルがシンプル、そして表紙も1色と、なんとなく潔さが感じられ、逆に目を引きました※

今回は、この“ラン”について書いていきたいと思います

※確認したら表紙変わっていました

最新のもこれはこれで素敵ですね

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冒頭

主人公は天涯孤独の22歳女性、環

両親と弟を交通事故で亡くし、一緒に暮らしていた奈々美おばさんも環が20歳の頃に亡くなります

自分もあの世に近づいているのではないか、いつでも向こう側にいけるのではないかと思う環

しかしその話をすると、自転車の購入で仲良くなった、似たような境遇の自転車屋のおじさんである紺野さんは、そんなの超えちゃダメだといいます

しかし、その店にいた猫のこよみが亡くなり、唯一の身内であった母の心配もあったため、紺野さんは山形へ帰ることとなります

紺野さんは最後に、3日に1回の自転車の研磨材をつける約束ができなくなったからと、とっておきの自転車であるモナミ1号を環に渡しました

と、初めはこのような流れです

内容

仕事場まで自転車で行っていた環ですが、紺野さんからモナミ1号をもらってからは、仕事場だけではもったいないと感じ、様々な所へモナミ1号と出かけました

そんな日常が続く中、モナミ1号と出かけた際、環は何処かに迷い込みます

しかしなぜか不安を感じることはなく、このままどこまでも進んでいこうと思い進み続けます

身体の限界以上の力を振り絞り、たどり着いた場所は、自分以外の生きている者の気配がない場所でした

冥界と下界の間の世界

そこには、懐かしい毛並みの猫、そして懐かしい家族の姿がありました

環はその時、やっと皆と一緒にいられると思います。

しかし環は死んでいないため、ずっとここにはいられないということを家族から伝えられ、環はモナミ1号とともに元の世界に戻りました

その後、環は家族に会いたい一心で、何度も自転車に乗って皆に会いに行きます

しかし、それを良く思っていないのが奈々美おばさんです。なぜなら死んだ人に会いに来ている環は、死んだ人には会えないというルールに反しているからということです

そして、モナミ1号の本来の持ち主はここにいることを環は奈々美おばさんから告げられます

モナミ1号がなければ、もう皆には会いに来られないと途方に暮れる環ですが、自分の足で来ることもできると奈々美おばさんは言いました

しかし、そのためには自転車に頼らず、一定の速度で40キロを走りきらなければなりません

諦めかける家族ですが、環はやる気をみせます

ある時、自己流でランニングをしている環の所にドコロさんという人が現れ、ランニングチームに誘われます

必死に皆に会いに行くために頑張る環ですが、いつからか家族に会うために頑張るという目標から、チームのメンバーとフルマラソンを走りきるという目標に変わってきていることに気づきます

そして居場所を見つけられなかった環は、現世でも居場所を見つけられます

と、そういったお話です

感想

この小説は共感できる場面が多かったです

親しい人が亡くなってしまった時の悲しさや喪失感

そして亡くなってしまった人にまた会いたくなる気持ち

自分も祖父母を亡くした時のどうしようもなく悲しかった気持ちを思い出しました

しかし、主人公が少しずつ少しずつ立ち直っていく姿をみて、少しの勇気がもらえたような気がしました

また環が人と関わる所をみて、走り初めた時の大変さをみて、自分も大変なことは起こりえるけれど、初めはきつくても少しずつ頑張ろうかなと思えました

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